「夢のマイホーム」と言われるように、
やっぱり自分の家を持つのに憧れますよね。
結婚や出産などをきっかけに家づくりをスタートさせ、
住宅ローンなどのハードルもクリアしながら、
自分の家が完成したときの喜びは感動するほどです。
もしも、こうして建てた家が25年でダメになってしまったら
どうでしょうか?
35年ローンならまだ10年も残っています。
更にリフォームローンを組んで、
リフォームしなければならないのでしょうか…。
想像するだけでも怖い話です。
もっと恐ろしいのは、これが「よくある話」だということです。
「夢のマイホーム」で苦しむ人は少なくありません。
そうならないために、長持ちする家のつくり方についてお話しします。
日本の家の寿命は短い
![解体_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2019/05/解体-300x200.jpg)
欧米諸国と比較すると、日本の住宅は極端に
寿命が短いと言われています。
新築から解体までのサイクルが早いそうで、
25~30年程度という統計も出ています。
老後のことも考えて建てた家なのに、
住宅ローンが完済するかどうかという頃に
家に住めなくなっては意味がありません。
一方のヨーロッパでは住宅寿命は70年以上と言われています。
築数百年のアパートも未だに活用されているほどです。
![欧米_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2019/05/アパート-1024x670.jpg)
なぜこれだけの差があるのでしょうか。
理由の一つに、家のつくり方の差があります。
日本の住宅は木造が基本です。
日本の家がダメになる場合は、
その多くが木材の腐りやシロアリ被害などによるものです。
一方、ヨーロッパで数百年も活用されている建物の多くは
石造りやレンガ造りの建物です。
腐る心配がほとんどない分、長持ちしやすいという側面もあります。
なぜ木造住宅なのか
石造りやレンガ造りのヨーロッパの家が長持ちしているのであれば、
なぜ日本では木造住宅が主流になったのでしょうか。
技術的に石やレンガでの建築が難しかったから?
いいえ、技術的には建築可能だったと思います。
日本でも立派な石垣は数多くありますし、
日本庭園に見られる石灯篭や墓石を見ても、
石の加工技術の高さがうかがえます。
![石灯篭_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2019/05/石灯篭-682x1024.jpg)
陶器瓦も古くから使われており、
正確な造形や耐久性もある質の高い製品を
大量に生産する技術はありました。
それにもかかわらず、日本では木造住宅が主流となりました。
その理由は、日本独特の気候にあります。
ヨーロッパとは異なる日本の気候の最大の特徴は、
湿度の高さです。
湿度が高い環境で石の家を建てるとどうなるでしょうか。
例えば湿度の高い梅雨の時季、
壁や天井に結露が起き、ベタベタになるかもしれません。
この状態ではいずれカビだらけになります。
それでは快適に暮らすことはできません。
木材の特徴として、湿気を吸収することが挙げられます。
木材が湿気を吸収してくれることで、湿度の高い環境でも
快適に暮らすことができたのです。
より快適に暮らせる家を追求した結果、
日本では木造住宅が主流になったのです。
先ほど、日本の住宅寿命が短いとお話ししました。
日本人は、家の耐久性を捨てて快適さだけを求めた結果、
木造住宅を選択したのでしょうか。
そうではないのです。
本来、木造建築には十分な耐久性が備わっています。
事実、世界最古の木造建築である法隆寺は、
1400年を経た今も現存しています。
それに、築100年以上の古民家などは珍しくありません。
![古民家_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2019/05/古民家-1024x681.jpg)
どうやら、日本の住宅寿命が短いのは、
木造建築だからという理由ではなく、
現代住宅に特有の問題のようです。
間違った高気密・高断熱
以前の木造建築と現代の住宅でなぜ耐久性が大きく違うのか。
それは、家のつくり方が変化したことにあります。
古民家や、昔ながらの造りの家に泊まったり暮らしたりした
経験はお持ちでしょうか。
経験のある方ならお分かりいただけると思うのですが、
窓や雨戸を閉め切っていても、隙間風が入ってくるのです。
特に冬は家の中まで冷たい風が吹き込みます。
囲炉裏やコタツの文化が広まったのも納得です。
![囲炉裏_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2019/05/囲炉裏-1024x682.jpg)
暮らすには厄介者の隙間風ですが、
木造建築を長持ちさせる秘訣はこの「風」にあるのです。
木材は湿気を吸収して、快適に暮らせる空間をつくってくれます。
ところが、いつでも湿気を吸うだけでは、木材はいずれ腐ってしまいます。
湿気を含んだ木材はシロアリの好物でもあります。
このままでは家は長持ちしません。
そこで、家の中を風が通ることで木材に含まれた湿気が吐き出され、
木材がまた乾燥することができたのです。
現代住宅の寿命を短くなってしまった原因は、
この調湿作用のサイクルが止まってしまったことにあります。
現代の家では気密性が高まり隙間風はありません。
更に、壁の中には断熱材も入れられるようになり、
以前の家よりも暖かく暮らせるようになってきました。
多くのハウスメーカーや工務店は、
「高気密・高断熱の家」とアピールもしています。
![断熱_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2019/05/一般の断熱材.jpg)
高気密も高断熱も家づくりでは大切なことです。
しかし、だからといって耐久性が低くなって良いという
わけはないはずです。
最近は高気密・高断熱というフレーズだけが独り歩きして、
まるで魔法の言葉のように便利に使われています。
ハウスメーカーや工務店で家づくりについて質問しても、
「うちは高気密・高断熱だから大丈夫」
という程度の説明で片付けてしまいます。
これは非常に危険です。
正しい高気密・高断熱もあれば、
間違った高気密・高断熱もあるのです。
日本の住宅寿命を短くしている原因は、
間違った高気密・高断熱にあります。
木の家を長持ちさせるのは通気
それでは、間違った高気密・高断熱とはどういうものなのか。
それは、木材の通気を奪う気密と断熱です。
木材が湿気を放出するための通気を確保することこそが、
木造住宅の耐久性を左右する最大のポイントなのです。
![通気_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2019/05/壁内通気-682x1024.jpg)
ここで押さえておきたいのは、
通気と隙間風は全く違うということです。
通気と隙間風を混同して、
やみくもに気密と断熱を高める施工をした結果、
住宅寿命が短くなってしまったのです。
この間違いこそが、
軽く100年以上は耐久性のあるはずの木造住宅を、
25年程度の寿命にしてしまったのです。
私たちベースポイントの家は、
ハイレベルで高気密・高断熱を実現しています。
それと同時に、木材が湿気を放出できる通気も確保しています。
そうして、快適で長持ちの家をつくっているのです。
木材の特性を考えさえすれば、難しいことではありません。
自然の風を活用するだけで、家は長持ちするのですから。
昔から大工さんが知っているはずのことが、
なぜか今の住宅業界では無視されているのが現実です。
最新技術の追求はもちろん重要なことなのですが、
基本をおろそかにしてはいけません。
日本に家を建てるのであれば、日本の気候について
正しく理解しておくことが大前提のはずです。
快適で長持ちする家を建てるためには、
湿気と上手に付き合うことが必要です。
まとめ
![ダイニング_つくばでノーメンテナンスの家ならベースポイント](https://basepoint.jp/wp-content/uploads/2020/04/MG_0198-1024x683.jpg)
日本の住宅は世界的に見ても極端に寿命が短くなっていますが、
その原因は日本特有の高い湿度にあります。
「高気密・高断熱だから大丈夫」と言って、
湿気対策を無視した家づくりが広がった結果です。
住宅の気密性を高めただけでは、湿気対策にはなりません。
しっかりと通気のことまで考えることで、
快適で長持ちする家をつくることができるのです。
ちなみに、私の言う「通気」の詳細については
また別の機会にご説明したいと思いますが、
いわゆる「24時間換気」とは全く別の物ですので、
混同されないようご注意ください。
はじめての家づくり講座では詳細な説明もしていますので、
ぜひこちらもお役立てください。
30年後も50年後も後悔しない家づくりをしましょう。