注文住宅を建てるなら、価格や間取りはもちろんデザインにもこだわりたいですよね。
家の外観、内装、設備機器など、住宅はデザインで溢れています。
つくばの住宅街、住宅雑誌、インスタグラムなどを見るだけでも、様々な住宅デザインがあることが分かります。
デザインの好みは人それぞれですが、住宅のデザインを決める上で大切なポイントについてお話ししたいと思います。
住宅とデザイン
洋服、カバン、髪型などなど、日常生活はデザインと共にあります。
そんな日常生活の舞台となる住宅も、やはりデザインとは切っても切れない関係にあります。
一般的に、人生で購入するものの中で最もサイズの大きいものが住宅です。住宅をデザインするということは、空間をデザインすることだと言っても過言ではありません。やはりサイズが大きいと存在感もあるため、デザインは重要なポイントです。
住宅の場合、一度建ててしまうとデザインの変更が難しいというのも特徴です。もちろんリフォームなどでデザインを変えることもできますが、少なくない費用と手間がかかります。
人生の長い間を過ごすのが住宅ですから、住宅のデザインが暮らしに与える影響は大きいと言えます。
その一方、住宅デザインの影響は大きいにもかかわらず、洋服のデザインと同じ感覚で住宅デザインを捉えているケースも少なくありません。
住宅はTシャツのように日替わりで選ぶことはできません。多くの人は一生に一度きりの家づくりなのですから。
家を建てるときの流行や憧れだけで住宅デザインを考えるのは大きなリスクでもあるのです。
一生に一度の買い物で後悔するなんて嫌ですよね?
好みは大切ですが、少し違う観点からも住宅デザインを考えてみましょう。
住宅デザインとアフターメンテナンス
住宅デザインにおいて、多くの人が「失敗だったかな・・・」と気が付くのはお手入れのタイミングです。
例えばお掃除。
お気に入りの装飾で自分好みの空間になったお部屋。暮らして1年もすればホコリも溜まることでしょう。
いざ年末の大掃除でホコリを落とそうとしてもこだわりの装飾の隙間に入り込んだ汚れに届かず一苦労。毎年続く大掃除が憂鬱になった…という話もありました。
また、汚れやすいのは承知の上で、こまめに手入れをするという覚悟で採用したものの、暮らしてみたら手入れどころではない…なんてケースも。
例えば屋根。
屋根の形は家の外観デザインを大きく左右します。
住宅街で屋根を見比べると分かりますが、屋根は形も勾配も多種多様です。
屋根の形がバラバラなのには意味があるのです。
意匠的な意味合いももちろんありますが、その家にとって「どうすれば雨を上手く流すことができるか」ということが最も重要視されるべきポイントなのです。
見た目の好みで外観デザインを決定してしまうと、最悪の場合、雨漏りしてしまうかもしれません。
家の形(間取り)との組み合わせによっては、雨漏りしやすい形状の屋根も存在するのです。
屋根は家と一体ですので、修理も簡単には済ませられません。
見た目だけで選んだ屋根で、一生苦労はしたくないですよね。
デザイン=装飾ではない
ここで一度、住宅からは離れてデザイン一般についてのお話です。
ある日、私は洋服を買いに出かけました。
目的は無地のシャツです。柄物のシャツは足りていたので、古くなった無地のシャツを買い替えようと思ったのです。
あるお店でお目当ての無地のシャツを物色していると、店員さんに話しかけられました。
店員さんに別の柄物のシャツを勧められたので、今日のお目当ては無地のシャツであることを伝えました。
すると店員さんは柄物のシャツを指しながら、こう言いました。
「こういうデザイン性のある物は好みじゃないんですか?」
今回はたまたま探している物とは異なるものを勧められましたが、店員さんの対応については全く問題ありません。私のためを思って勧めてくれたのですから。
私が伝えたいのは、この店員さんが「デザイン=柄」であると考えている点です。
もちろん柄はデザインの一種ですが、無地のシャツにもデザインはあります。
シャツの型だって様々なデザインがありますし、生地や縫製にもデザインはあります。
どうしても目に見えて分かりやすい装飾にデザイン性を感じやすいのは仕方のないことです。この店員さんに限らず、「装飾=デザイン」と捉えがちな部分はあると思います。
それは住宅においても同じことです。装飾が多い空間をデザイン性の高い空間だと考えてはいないでしょうか。装飾ばかりに目を奪われていると、ちぐはぐなデザインの住宅になってしまうかもしれません。
それでは、デザインとは何でしょうか?
デザインとは本来、「設計」を意味しています。
一方、デザインと混同されがちな装飾はあくまでも飾りなのです。
住宅の場合、土地や外部環境、住まい手の暮らし方などの情報を総合して設計図を作成していきます。そして、装飾があった方がバランスの取れる部分には、必要な装飾を施します。
暮らしを豊かにするための装飾はデザインです。
しかし、装飾のための装飾をデザインと呼ぶのはちょっと違うように感じます。
装飾のための装飾とは、デザイン(設計)の質の低さを隠すための装飾と言ってもいいかもしれません。
デザインの一部を切り取った写真を見て、それが全てだと考えてはいけません。
設計全体における装飾の役割を考えてみることが大切です。
デザインと性能は相反するものではない
住宅デザインに関する話題で、しばしば議題に上がるのが、
「デザインと性能のどちらを選ぶのか」
ということです。
普通はデザインも性能も欲しいですよね。
にもかかわらず、どちらかを選ぶよう要求するような工務店も少なからずいます。
この二者択一を迫る工務店には、大きく2つのタイプがあります。
1つは、デザイン重視型です。
『デザイン住宅』として売り出していることが比較的多いです。
このタイプの工務店を調べてみると、施工事例の家もいかにもデザイン住宅といった装飾が施されています。全体的にモノトーンに近いタイプの内装が多く、「デザイン性」を演出しています。
こうした工務店では、家の性能について語ることはあまりありません。
簡単にまとめると「装飾に費用をかけているので性能はそこそこです。」といったレベルの住宅が多いです。
もう1つのタイプは、性能重視型です。
こちらのタイプの工務店はホームページやチラシでも全面的に家の性能をアピールしています。
一方でデザインや装飾に関する記述はあまり見られません。
こちらも簡単にまとめると「性能を追求しているので、デザインはよくわかりません」といったレベルです。
デザイン重視型の工務店も性能重視型の工務店も、デザインと性能の二者択一を迫るという点において、あまり差がありません。それは、どちらも「デザイン=装飾」であるという考えに基づいているからです。
先ほどもお話しした通り、住宅デザインは設計です。
土地の環境を活かし、住まい手が暮らしやすく、いつまでも快適な住宅をデザインするためには、高い住宅性能が求められます。
そして、その住宅性能を機能的に活かすためには適切な装飾も必要になります。
住宅デザインには性能もデザインも含まれているのです。
つまり、デザインと性能は相反するものではないのです。
デザインと性能は補完的な関係性であるにもかかわらず、デザインと性能の二者択一を迫ってくる業者には要注意です。
装飾だけをデザイン性だと主張し、住宅性能の不足を隠したいだけなのかもしれません。
もう一方は、住宅性能だけをアピールし、デザイン力の不足をごまかしたいのかもしれません。
ここでは2タイプの工務店の例を挙げましたが、これは一部のお話です。
多くの工務店はデザインと性能を両立した家づくりをしているはずですので、気になる点があれば確認してみるのが良いでしょう。
デザインと性能を両立した上で個性豊かな家をつくっているのが、工務店の特徴でもあるのですから。
万が一、デザインと装飾を混同したような回答であれば、要注意かもしれません。
ベースポイントが求めているのは機能美
私たちベースポイントが家づくりで追求しているのは機能美です。
住まい手がいつまでも安心して快適に、楽しく暮らせるような家をつくりたいと考えています。
いつまでも快適に暮らせる住宅性能と、流行に惑わされないシンプルな空間づくりを心掛けています。
装飾のための装飾は排除し、機能的に暮らすための装飾を施しています。
機能的に暮らすことを追求すると、家自体が持っている本来の美しさが見えてきます。
ベースポイントの家を先ほどのシャツの例で言うならば、上質な無地のシャツです。
型、生地、縫製など品質もデザインも細部にまでこだわり抜いた無地のシャツです。
柄物のような派手さはありませんが、いつまでも飽きの来ない心地よさがあります。
また、着こなしによっても見え方が異なります。
過剰な装飾で隠すこともせず、高性能を盾にして隠れることもせず、家本来のデザイン(設計)だけを追求しています。
シンプルな空間は、ごまかしの利かない難しさがありますが、深い魅力のある強い空間になります。
私たちは、ただ単に売りやすい家をつくるのではなく、住まい手のための家づくりを追求していきます。
まとめ
住宅デザインの本質は設計にあります。そこには、装飾も性能も全て含まれています。
装飾だけの家、性能だけの家ではなく、どちらも兼ね備えた家を建てましょう。
その為には、目に見えるデザインだけでなく、目には見えにくいデザインのことまで考えましょう。
そうすれば、きっと自分に合う家づくりができるはずです。
一生に一度の家づくり、後悔のないよう住宅デザインについて考えてみませんか?
つくばで住宅デザインについてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。