今回は家づくりそのもではなく、つくばの暮らしについてお話ししてみたいと思います。
というのも、先日発売されました『つくばスタイル No.28』の取材でつくばの暮らしについて少しお話しさせていただいたのがきっかけです。
つくばの暮らしについてお話しする中で、個人として、ハウスメーカーとして考える部分がありましたので、今回あらためてお話しさせていただきます。
つくばに移住するまで
まずは自己紹介も兼ねて、私がつくばに移住した経緯からお話ししたいと思います。
私はつくばで生まれ育ったわけではありません。
出身は埼玉県で、仕事も都内の企業に勤めていました。
それまで縁のなかったつくばへの移住を考えたのは、子供が生まれたのを機にマイホームを建てようと思ったのが始まりです。
東京で働いてはいましたが、東京に家を建てようとは考えませんでした。
そもそも東京では土地が高くて予算が合いませんでしたし、私たち自身が元々都会育ちではないので、ゆとりのある街で子育てしたいという想いもありました。
勤務は都内でしたので、東京へのアクセスの良い街という条件も加えて考えていました。
そうして家を建てる街を探しているときに出会ったのが、つくばみらい市でした。条件的にもぴったりでした。
つくばエクスプレス線の開通とともに急速に発展していたみらい平駅周辺の街は、東京などから移り住んでいる方も多いようだったので、自分たちも馴染めるのではないかという考えもありました。
こうしてつくばに移住する決断をしましたが、この時点では「つくばの暮らし」についてはあまり考えてはいませんでした。
そして、つくばでの暮らしが始まりました。
つくばで暮らして
いざ暮らし始めると、つくばはとても快適で面白い街でした。
ご紹介したいことは数えきれない程ありますが、今回は代表的なところを少しだけ。
子供の遊び場
まず当初考えていた子育てのための環境についてですが、つくばエリアには公園の数も多く、管理も行き届いていて、子供を遊ばせる場所には困りませんでした。
それに、子供が遊びながら学べる場所の多さに驚かされました。
つくばに研究施設がたくさんあることは知っていましたが、そういった研究施設が一般向け、子供向けの施設を併設していることは知りませんでした。
親も子も一緒に楽しめる施設が身近に沢山あったことは嬉しい発見でした。
個性的で魅力的なお店
つくばの魅力は子育てだけではありません。
都内の街に比べるとつくばはチェーン店の数は少なくなりますが、その分、つくばには個人経営のお店が数多く存在します。
実際、つくばで起業する人の数は全国の自治体の中でもトップクラスなのだそうです。
パン屋さん、カフェ、レストランはもちろん、洋服屋さん、本屋さん、ハンドメイドのお店…挙げたらきりがない程です。
どのお店も個性的で、魅力的で、多種多様です。
つくばのお店を巡るだけでも本当に面白くて、飽きません。
店舗だけではなくマルシェなどのイベントも開催されていて、地域とお店が一緒になってつくばを盛り上げているという印象があります。
つくばは楽しみが沢山あるだけではなく、その楽しみの作り手の顔が見えるというところがつくばの面白さでもあると思います。
余白を楽しむ
また、楽しませてくれるのを待つのではなく、自ら楽しみを見つけることがつくばを楽しむ秘訣です。
つくばは全てが完成されている街ではなく、まだまだ余白の部分があります。
その余白の部分を「何もない」と捉えるか「好きな色で描ける」と捉えるかで大きな差が生まれます。
つくばには後者の考えを持つ人も沢山います。
そういう人たちは暮らしの延長線上に遊びがあるというか、楽しみながら暮らしているように見えます。
自ら楽しむ気持ちを持ってさえいれば、つくばにはその気持ちに応えてくれる懐の深さもあります。
つくばの街には東京とは違う面白さがありました。
脱ベッドタウン
少し話は変わります。
次は、個人としてだけではなく、ハウスメーカーとしてもつくばを考えてみます。
つくばエクスプレス線の周辺エリアは、路線の開通と共に東京への通勤圏内となりました。
通勤圏内となったことで、東京への通勤を前提につくばエリアで暮らす人が増加しました。かつては私自身もその一人でした。
そして、つくばエクスプレス周辺エリアは「ベッドタウン」と呼ばれるようになりました。
皆さんもご存じかとは思いますが、ベッドタウンとは「都心で働く人が寝に帰る街」という意味です。
先ほどもお話しした通り、つくばには楽しいことが沢山あります。
それが、つくば=ベッドタウンだと思われてしまうのはもったいないことです。
ただ、東京で働く人の場合は特に、平日の夜につくばの街を楽しむというのは現実的ではないと思います。
それに、仕事を終えてつくばに帰ってきたら、家で家族とゆっくり過ごして欲しいとも思います。
では、つくばの脱ベッドタウンのためにはどうしたらいいのか?
それは、つくばの街だけでなく「暮らし」そのものを楽しむことが必要です。
つくばを、寝に帰る場所ではなく、楽しく暮らすために帰る場所にすればいいのです。
暮らしを楽しむための環境づくりこそ、ハウスメーカーの役割だと考えます。
暮らしを楽しむとは
暮らしを楽しむとは何でしょう。
あらたまって「暮らしを楽しむ」というと少々大げさに聞こえてしまいますが、何も特別なことをする必要はありません。
楽しみは人それぞれですし、何の決まりもありません。
それぞれが自分の好きなように楽しく暮らせれば良いのです。
簡単に言ってしまえば「自分らしく暮らす」ということが、暮らしを楽しむということです。
「自分らしく暮らす」と言うと、だいぶハードルが下がったように感じるのではないでしょうか。
簡単なことではあるのですが、意外と自分らしく暮らせていないケースが多くあります。
自分のやりたいことが、やりたいようにできないのはなぜなのか。
もちろん時間やお金の制約もあるかもしれませんが、それ以前の問題があります。
自分らしく暮らすのを邪魔しているのは「家」だったりします。
例えば、「あの部屋から○○を持ってきたいけど寒いから暖房のきいたこの部屋から出たくない」であるとか。
「2階に○○しにいきたいけど、涼しいこの部屋から出られない」など。
自分がやりたい気持ちがあるのに、家が邪魔しているのです。
本当に小さいことですが、日々の積み重ねは小さくありません。
このシワ寄せが休日にのしかかってくることもあります。
家が本当に快適であれば、こうした小さな問題の多くは解決します。
「家が快適なだけじゃ変わらないんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。
家には暮らしを変えるだけの力があります。
本当に快適な家は力を持っているのです。
私は家の本当の力を知っているからこそ、つくばの現状に悔しい部分もあります。
つくばでは今現在も多くの家が新築されています。
新築なのですから当然「最新の家」なのですが、とても「自分らしく暮らせる家」とは呼べないものも多くあります。
このまま自分らしく暮らせない家がたくさん並ぶ街になってしまえば、暮らしは楽しくなくなり、つくばは名実共にベッドタウンになってしまうことでしょう。
せっかく楽しく暮らせる街つくばに家を建てるのですから、自分らしく楽しく暮らせる家を建てませんか。
快適で自分らしく暮らせる家をつくり、街の暮らしを楽しくしていくことこそが、私たち工務店の役割です。
快適で楽しい家づくりのお手伝いをさせていただきます。
一緒に楽しい暮らしをつくりましょう。
まとめ
つくばには様々な顔があり、楽しみ方の幅も広く、非常に魅力的な街です。
娯楽で楽しませてくれる街というよりも、暮らす人の楽しみたい気持ちに応えてくれるような街です。
暮らしも遊びも楽しめる懐の深いところで、ベッドタウンと呼ぶにはもったいない街です。
私たちベースポイントはハウスメーカーとして「自分ら良く楽しく暮らせる家」をつくることを通して、つくばをベッドタウンとは呼ばれないようなもっと面白い街にしていきたいと考えています。
みなさんもぜひ自分らしく楽しく暮らしましょう。