他社さんの事例を勉強させていただく機会があり、名古屋まで日帰り出張してきました。
新幹線は久しぶりだし、初めてスマホアプリで新幹線乗車などちょっとドキドキでした。
結婚前は妻が仕事の関係で大阪にいたため結構な頻度で新幹線に乗っていたのですが、それももう昔。
久しぶりの慣れない新幹線移動は疲れますね。
さて、話が逸れそうなので本題に入ります。

今回お邪魔させていただいたのは工務店さん2社と建材流通店さん1社です。
立場は違いますが皆さん良い家をつくるために様々な取り組みをされていました。
今回の3社さんに共通していたのが「蓄熱」という考え方です。

いわゆる高性能住宅では高気密と高断熱が必須ですが、それに加えて蓄熱という要素があります。
蓄熱というのは、そのままですが熱を蓄えるということ。
では住宅でどのように熱を蓄えるのかというと、壁や天井や床などを利用していました。

例えば日中は太陽を取り込んで部屋をポカポカにします。
その後、陽が沈むと気温は低下していき、家の中の室温も低下していきます。
高気密高断熱で室温の低下を抑えるのですが、そこでプラスαで効果を発揮するのが蓄熱です。
室温が低下してきたとき、それを補うように壁などに蓄えられた熱が放射されていきます。

体感温度というのは、(室温+表面温度)÷2で算出されます。
壁・天井・床に蓄熱することで、表面温度を上げる(冷房時は下げる)ことが可能になります。
冬は室温が多少低下したとしても表面温度を維持することで暖かさが続きます。
夏は室温が上昇しても表面温度を維持することで、体感温度の上昇を抑えることが可能です。

暮らしを更に快適にしてくれる蓄熱ですが、一般的な家では十分な蓄熱は見込めません。
今回視察した中で蓄熱に利用されていたのは木の繊維や土でした。
木質繊維や土は熱容量と呼ばれる熱を蓄える力が高いためです。
木質繊維の断熱材を使用したり壁の中に土を入れたりと、蓄熱効果を最大限発揮させるために工夫をしていました。
さらに、家の外にある地面の土の蓄熱効果を利用するために窓を配置したりと、間取りやデザインにも工夫が詰まっていました。

蓄熱を意識した家
蓄熱する家の日射取得する窓

間取りもコンパクトながら窓辺を中心に心地よい空間がつくられていました。
視線が通る広がり方と全ては見渡せない仕切り方のバランスがとても素敵でした。
コンパクトな空間が連結しているような間取りなのですが、視線が通るので決して狭くは感じませんでした。
視線は通るけれども空間全体を見渡せるわけではないので、見えない部分が想像も含めて広がりを感じさせてくれました。
もちろん大きく開放的な空間も好きですが、実際の面積以上の広がりを感じさせるような空間づくりも魅力的です。

ベースポイントでも蓄熱を意識して熱容量の高い断熱材を選定していますが、まだまだ蓄熱は奥が深いですね。
より省エネルギーで快適な暮らしを実現するために色んなものを吸収して、ベースポイントらしいデザインの家づくりをしたいと思います。
私のような工務店の視察を受け入れても何の儲けにもならないにも関わらず、ご丁寧に家づくりについて教えていただけてありがたい限りです。
今回の視察を企画いただいた皆様、受け入れてくださった皆様、どうもありがとうございました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!
茨城県で注文住宅を建てるベースポイントの代表者
坪野 隼太

設計から現場監督まで家づくり全般を担当してます。

趣味はファミリーキャンプとパン作り。

最近はプロバスケ「茨城ロボッツ」のにわかファン。