ベースポイントではお打ち合わせの際にコーヒーをご用意しています。
紅茶などその他の飲み物もお好みでお選びいただいていますが、コーヒーが人気です。

先日、コーヒー豆がなくなったので豆を買いに夫婦でカフェへ行ってきました。
こちらのカフェでは仕入れのタイミングで良い味のコーヒー豆を厳選している為、お店に行く時々で取り扱いのラインナップが変わります。
行くたびに次はどの豆にしようかと考えるのも楽しみの一つ。
妻と一杯ずつ選び飲み比べをするのですが、コーヒーの知識もなく味覚にも自信もないのにあーだこーだ言って楽しんでます。

先日もコーヒーを注文し席に着いた時、妻が隣の席を見て急に驚いた様子。
「隣の席にいるの森秋彩選手じゃない?」
妻にそう言われて隣をみたら、スポーツクライミング日本代表の森秋彩選手がいらっしゃいました。

森選手はパリオリンピックでも活躍していたのでご存じの方も多いのではないでしょうか?

スポーツクライミング日本代表の森秋彩選手
IOC日本語公式インスタグラム(@gorin)より

身長154cmと小柄にもかかわらず、誰よりも高い所まで到達してしまうのだから驚きですよね。
私たち夫婦はボルダリングが趣味(ヘタクソですが…)だったり、息子がボルダリング教室へ通っていることもあり、パリオリンピックは家族でテレビにかじりついて応援していました。
もう何年も前のことですが近所のクライミングジムで当時小学生だった森選手のクライミングを見て以来、ずっと応援しています。
ちなみに、森選手は小学生の頃からめちゃくちゃ上手かったです。

カフェでは森選手がちょうど帰るタイミングだったので思わずお声がけさせていただきました。
親切にご対応いただき少し会話をさせていただきました。
森選手の落ち着いた様子とは対照的に私たち夫婦は舞い上がってしまい「頑張ってください。応援してます!」程度しか言えず…。

実際にお会いした森選手は本当に小柄でした。
手足の長い海外選手と互角以上に戦っているのですから凄いですね。
森選手は小柄な分だけ体重の軽さなどアドバンテージもありますが、それ以上に身体の使い方が上手なイメージがあります。

スポーツクライミングを経験していない方には筋力勝負のスポーツと思われがちですが、実はまったく違います。
壁にあるカラフルな突起を「ホールド」と呼ぶのですが、このホールドをどのように使うかが重要なポイントなのです。
例えばホールドを手で掴むか、足を掛けるか。
手だとしたら右手?左手?両手?
足だとしたら左右どちらで?つま先?かかと?
ほんの少しの体重の乗せ方の違いで、身体の動きが大きく変わってしまうのです。
これがクライミングの面白さでもあります。

スポーツクライミングの試合では他の選手の登りは見れませんので、選手が自分で登り方を考えます。
なので、同じ課題(コース)だとしても登り方は人それぞれ。
リード(ロープ)なしで低い壁を登るボルダリングの場合、途中で失敗しても制限時間内であれば複数回チャレンジできるので、登り方を変えて再チャレンジします。
課題を見て考え、トライする。
失敗したら原因を考え、次の策を考え、またトライする。
ただ筋力で壁を登っているように見えますが、頭をかなり柔軟に使う必要があるスポーツです。

森選手は小柄なこともあり、頭の中で考えることがより多いのではないかと思います。
考えた上で勇気をもってトライしてゆく森選手の姿は本当にカッコイイです。
まだスポーツクライミングを見たことがないという方は、機会があればぜひご覧ください。

工務店の家づくりも森選手のように考えながら実施・実測・検証を重ねることで進化していきます。

先日、今年最後の自立研関東ゼミへ参加してきました。
以前にもブログでご紹介していますが、この会では温度・相対湿度・絶対湿度を空気線図などを駆使しながら数値化して理解を深めてきました。
今回は実際の建物における温度・湿度を実測して検証した事例の発表会。
4名が事例を発表してくださいました。

今年が初めての事例発表という方もいれば、2年3年と続けて事例発表している方もいます。
他の勉強会だと毎年持ち回りで発表者が変わるケースが多いのですが、複数年に渡り発表を継続するのがこの会の特徴です。
継続して複数回発表しているのには理由があります。

まず、事例発表会の流れをご紹介します。

1)各社が性能などを計算して設計・施工した建物で、実際の温度・湿度を計測。
2)実測した数値から読み取れる事象や改善案を発表。
3)発表者と会のメンバーで事象の原因について考察、今後の改善案等についてディスカッションを行う。

これが発表会の内容なのですが、これだけでは完結しません。
実測、検証してディスカッション等で出された改善策を実施するフェーズへと続きます。
そして、改善策を実施したら再び実測し、検証する。
このPDCAサイクルを丸ごと事例として発表するのがこの会の核心だと思います。
だからこそ複数年に渡り発表するケースが多いのです。

この会に参加しているのは小規模な工務店が中心。
大量の家を建てる訳ではないので、実測・検証した内容や経験を共有できるのは非常に貴重な機会です。
それぞれが自社の考える良い家をつくるために研鑽を重ねていますが、視野を広げて他社の事例を学ぶことでより一層理解が深まります。

そして、いつもは講師として参加してくださる鳳建設、一般社団法人ミライの住宅の森こうすけさんにもリノベーション事例を紹介していただきました。
耐震・断熱・気密と空調計画は家づくりの基本ですが、リノベーションでも新築並みの精度で実施されているのはさすがです。
実測値を見ても室内環境が安定していることが読み取れました。
いつも森さんのことを空調計画の講師として見てしまいがちですが、事例を聞いて自分と同じ工務店だということに気づかされます。
懇親会でも気さくに話させていただいてますが、内容はマニアックでその場で実測し始めたりする場面も。
やっぱりトップランナーは考えて行動し、実測・検証する流れが身についてますね。

ちなみに、今回はディスカッション後の発表者に急遽指名されました。

つくばの工務店ベースポイントの代表者の様子

心の準備をしていなかったのでちょっとドキドキしてしまいましたが、いい経験になりました。
こうして家づくりに詳しすぎるメンバーと一緒に勉強できるのはありがたいことです。

森秋彩選手、森こうすけさんというトップランナーの2人の森さんに刺激をいただいたので、より良い家づくりを目指して試行錯誤していきます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!
つくばの工務店ベースポイントの代表者
坪野 隼太

設計から現場監督まで家づくり全般を担当してます。

趣味はファミリーキャンプとパン作り。

最近はプロバスケ「茨城ロボッツ」のにわかファン。