先日、「エネルギーパス」の講習を受けました。

エネルギーパスとは、家の燃費を表示する証明書のことです。
家の面積、体積、断熱材の種類や厚み、窓のサイズや性能、日射取得、給湯、冷暖房、照明機器などの多岐にわたる情報に基づいて建物が1年間に消費するエネルギーを算出します。
エネルギーパスがあれば、その家がどの程度のエネルギーで快適に過ごせるのかがわかりますので、必要な電気代やガス代まで試算されます。
家の燃費が分かれば、住宅の性能が比較しやすくなりますし、住宅ローンだけでなくランニングコストの想定がしやすくなるなど、住まい手さんにとっても便利なツールです。
エネルギーパスは家の燃費を比べるものさしだと言えます。

日本では車の燃費を目にすることはあっても、家の燃費(エネルギーパス)を目にすることはほぼありません。
しかし、EU全土ではエネルギーパスの表示が義務付けられています。
日本の不動産屋さんでは間取り、家賃、駅からの距離等が書かれた紙が掲示されていますが、EUではそこに家の燃費が記載されているのです。
住まい手側の意識も高く、家の燃費性能による快適さやランニングコストの差を理解しているので、物件選びにおける指標になっています。
自動車の燃費と同様に、家の燃費表示も日本に浸透されるべきだと考えています。

私は既にエネルギーパス講習を受講してエネルギーエージェント資格は取得しているのですが、今回はエネルギーパス計算ソフトの実務講習でした。
今回の講習では一般社団法人 日本エネルギーパス協会 理事であり、私の温熱の師でもある吉田登志幸さんにお越しいただきました。
実務的な講習ではあるのですが、考えながら手を動かすことで更にエネルギーパスへの理解度も深まったように思います。
講習の成果を家づくりにしっかり還元していきます。

省エネ住宅をベースポイントで学ぶ様子
省エネ住宅のエネパスイメージ

今回の講習会はベースポイントのモデルハウスでの開催だったのですが、参加者は私だけではなく他の工務店さんや材木屋さんも一緒に講習を受けました。
一緒に受講した工務店さんたちはベースポイントの対応エリア内にある工務店ですので、いわゆる競合他社にあたる工務店さんです。
確かに競合関係にはなるのですが、一緒に勉強しながら互いを高め合う仲間でもあるんです。
不思議な関係に見えるかもしれませんが、それぞれが良い家を目指しながら切磋琢磨するいい関係なのです。

同じエリアの同業他社と高め合っていたら、他社に仕事を取られてしまうのでは?と思われるかもしれませんね。
それに対しての答えは、

「それでもいいです」

なぜ競合負けしてもいいと思えるのか?
それは、ベースポイントの企業理念にある通り「100年先の住環境を醸成する」ことが私の目的だからです。
私と一緒に学んでいる仲間の工務店の建てた家ならば、この目的と合致すると思えるのです。
対応エリアだからといってすべての家をベースポイントが建てられる訳ではありませんので、こうした仲間がいることは心強いことでもあります。
住まい手さんは、十分な性能を備えた家の中から自分の好みに合った家・工務店を選べればいいと思うのです。
(もちろんそれがベースポイントだと嬉しいです!)

その一方で、街中でとても十分とは言えない性能の家が建てられ続けている現状に対しては、悔しい思いでいっぱいです。
「高性能住宅」「高気密高断熱」というフレーズは溢れていますが、燃費や数値での表示がされていないケースも多くあります。
家の燃費表示がされてない以上、住まい手さんが燃費の良い高性能な家を選ぶのには限界があります。
未来に良い家をたくさん残していくためには、「家の燃費」という考え方をもっと浸透させていくことが大切です。
住まい手さんの目に見える形で燃費表示ができるよう、引き続き勉強しながら取り組んでいきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます!
茨城県で注文住宅を建てるベースポイントの代表者
坪野 隼太

設計から現場監督まで家づくり全般を担当してます。

趣味はファミリーキャンプとパン作り。

最近はプロバスケ「茨城ロボッツ」のにわかファン。